「絶対」の確度

ニュースを見ていたら、選挙の世論調査で「絶対に投票に行く」と答えた人が70%を超えていた。毎回、選挙のたびに思うのは、実際の投票率は「絶対に行く」との回答率よりも低いよなあ、ということ。追跡調査すれば、日本語の「絶対」という言葉の確度が分かりそうだ。
「絶対」と言えば、テレビ朝日サッカー日本代表戦中継で見られる「絶対に負けられない戦い」という表現。トーナメントじゃないし、この試合に負けても、まだ勝ち抜けるチャンスはあるじゃん!と思うことがある。「絶対に」というと、この試合に負ければ100%終わり……と受け取ってしまう。人によっては、「負けてもいい」試合なんてないよ!という視点から違和感を覚えるようだ(こっちのほうが多い?)。
「絶対に負けたくない」なら違和感はない。でも、「絶対に負けられない」のほうが、感情に訴えかけやすいか。
そう言えば、同じサッカーで、日本代表が「世界を驚かす覚悟がある」とプリントされたTシャツを着ていたことがあったけど、この表現も違和感があった。「世界を驚かす自信がある」ならいいんだけど。覚悟の意味を辞書で引いてみたが、やっぱりおかしい。
ただ、言葉は変わっていくものだし、あえて独自の使い方をすることによってコピーを印象づけるということもあると思う。そのうち、「今日は勝つ覚悟で試合に臨みました」という表現が普通になるのかな。まあ、それはそれでいいか。